なぜこの1年を長く感じたか #legalAC
こんにちは。年に1回はこのLegalACのおかげで法務に関する記事を言語化する機会を頂いています。今年もしがみついてエントリーしました。kanekoさん幹事、今年もありがとう!(打ち上げしたいね!)
宮城直さんよりバトンをいただきましたので、早速始めてみようと思います。
さて、皆さんは今年はどんな1年でしたか? あっという間でしたか? 圧倒的成長できましたか?
私は、今年の3月くらいの時点で「もう1年くらい経ったかな?」という感じで過ごしていました。
今年は体感で3年くらいの長さでした。長かった・・・とにかく長かった。
なぜそんなに長く感じたか? その謎を解くこと自体がこの記事を書く根本的なモチベーションです。忘れないうちに今年のことはなるべく言語化して年を越したい!
簡単に分析すると、
「子どもの頃の一年は、見るもの全て新鮮で非常に長く感じる、大人になると毎年早くなる」
というアレだと思います。
つまり、今年、私は子どもだった!
その上で、長く感じた理由をざっくり項目で書くと。
・経験値が低い分野の業務かつ先例も豊富ではない(気がする)
・業務の関係者、関係部署が多い
・タイトかつ遅延が許されないスケジュール
・不確実性が高い要素多数
・リモート下におけるコミュニケーション不足
・長時間労働と疲労による能力低下
・身体は自宅、心は戦場のギャップによるストレス
項目を見ると「出社して仕事をしろ、以上」という感じですが。それだとこれで記事が終わってしまう。
次に同じような内容はもちろんのこと、抽象的に見て同じような状況になった時に今回の経験を踏まえて対策ができないか、というのがこの記事のテーマです。(ちなみに、今回はMA系だったので、その特殊性もあると思いますが、できるだけ一般化できるように心がけました)
1.経験で補っていける系の話
・経験値が低い分野の業務かつ先例も豊富ではない(気がする)
・業務の関係者、関係部署が多い
身も蓋もないですが、誰しも初経験のことはうまくできることの方が難しい。経験を次に活かしていこうぜ! 以上! な分野はあると思っています。沢山打席に立つしかない。
※もちろん、その防御範囲をなるべく広くするために「普段は触らない分野のインプットも行っておく」ことが大事なんだろうなと思いますが、それでも限界はあります。
そうなると、「詳しい人に教えてもらう」ということが重要になってきます。その前段階で「ここまではわかるが、ここからは良くわからない、正直、雰囲気でやっている」ということを正直に開示するという手もあるでしょう。この辺りは、普段からそのように言い合える関係性の構築ができていないと中々上手くできないかもしれません。
こういう時のためにそのような関係構築をしておく必要があるのかもしれません。
そして、知らないことを恥じない。そんな自分も受け入れる。
関係者、関係部署が多い
大きいプロジェクトだとそれに伴い、財務経理部門や広報IR部門など、数字、開示に関わる部門との連携や調整が不可欠となってきます。
「不可欠となってきます」ということ自体をきちんと認識することがまず第一歩かもしれません。多くの場合、前倒しで文面のチェックや外部へのレビュー出しがあったりして、締め切りも前倒しになることが多い。そのこと自体に動じない、折り込む。
ゴールに向けて必要なドキュメント、証拠を作るためのアクション、専門家を巻き込んでの行動の策定まで考えられると、なお良いのでしょう。
マニュアル化されていない部分で思考停止してしまうのではなく、不足しているところなどをもっと詰めていけると良い。
プロマネの人は自分で作り上げてスケジュールを引いたりするので精通しているものの、そこから仕事を振られる立場だったりすると、いつも不意打ちで急ぎ業務がきている感覚に陥ることがあります(ありました)。
受け身だと、後手後手に感じてしまって精神的にも良くないですね。
経験による蓄積がものをいう気はしますが、会議体に上程する資料についても、前のめりで集めに行かないと必要なものが揃わない可能性もある(むしろ自分から必要な資料とその方向性を提示できるくらいの勢いで)
いわゆる「当事者意識」が重要なポイントかもしれません。私が、このプロジェクトを前に進めているんだ! という感覚。
2.タイトスケジュールや業務量による負荷に起因する話
・タイトかつ遅延が許されないスケジュール
・不確実性が高い要素多数
・長時間労働と疲労による能力低下
プロジェクトメンバーに共通している条件なので、この手のプロジェクトに慣れている人や、超人レベルの人を除いて、負荷になるのは間違いない。
誰でもそうかもしれませんが、急かされるのはどうもプレッシャーに感じてしまう。
不確実性はプロジェクトメンバー同士も「まじか〜 いろんなことあるな〜あはははは」と笑い飛ばすしかないかもしれません。少なくとも同じ方向性を共有して苦楽をともにできる関係性だと良いと思います。
自分の作業として、慣れない、時間がかかる結果、稼働時間が増える。
タイトスケジュールでさまざまな時間帯に連絡が来る。
それが、中長期間継続する。
1で述べた通り、経験すれば先の見通しもある程度ついて、ゴールを見据えてメリハリつけて行動が取れるのかもしれません。
また、成果物のイメージもつくのである程度作業を人に分散したり、外部へ依頼したりといったリソース調整もできるかもしれません。
一人で抱え込んでしまうとどうしても負のスパイラルに陥る可能性がありますね。
また、リーガルテックでもう少しシュッとできないかと思うこともありました。
長時間の労働時間の遠因にもなっている気がするのが、
Wordの修正履歴、コメント機能で複数の部署、社内外関係者(公的機関、市場関係者も含む)のドキュメントがさまざまなバージョン管理で並行して作成されること。
一部署で完結しない上に、社外も関係する話かつ、クイックに進める話なのでシステムの導入を検討するタイミングはない。
Wordというデファクトスタンダードのツール強さ()を感じますが、プロジェクト単位でもっとスマートにドキュメントのバージョン管理ができるシステムとかあればいいですよね。どこか〜〜〜たのむ〜〜〜〜
3.コロナ禍、リモートワークに起因するコミュニケーション系の話【重要】
・リモート下におけるコミュニケーション不足
・身体は自宅、心は戦場のギャップによるストレス
これに関してはまず明確な反省点があります。
コミュニケーションは社内だけではなく、家庭内においても丁寧に行う必要があること。
プロジェクトの繁忙状況を「ただ、察して」と言うのは無理があります。
当然ながら、内容は共有できないが「これまでにない特別な状況にある」「過去最高の中でも最も優れた年」という風に、自分が繁忙期にあることの伝達が不足していました。
リモートワークが当たり前になった今の世の中、物理的な職場が家庭に割り込んできているという事実を、きちんと認識する必要がありました。
また、自宅内を職場と同じ状況にしてもらうよう要求すること自体が土台無理な相談だということにもっと早く気づくべきでした(自分の場合、乳幼児含めて3人の未就学児がいるため、さらに)。
上記のような状況は日に日に私自身の人格やアンガーマネジメントに影響を与え、禍根を残すことになります。これはもう出社だ! 出社が全てを解決する!(初めに戻る)
ここを勘違いすると、「なんのために自分は働いているのか」が分からなくなります(なりました)。
職場の人々に家庭の状況を伝えて、理解を求めることはもちろん可能です。
逆に、家庭の人々に、仕事の状況を伝えて、理解を求めることの重要性はまだだあまり語られていない気もします。
職場における対面コミュニケーションの重要性は改めてここで書くことでもありませんが、結局プロジェクトメンバー単位では出社した方が意思疎通がスムーズというのはあると思います。(もっとも、ここは限界もあるので上手い方法を実践していきたいところ)
タスク管理ツール、マニュアル化、属人化の排除…
以上、思考の整理でした。
まとめると、
1.普段から守備範囲を広げる準備をしつつ、分からなくなったら人に早く聞けるようにしておく
2.言われたことをやるのではなく、スケジュール設計から当事者意識を持って主体的に動く
3.出社した方が色々良いことも多い。家庭内への理解を求めることを忘れずに。
とても当たり前に思えることばかりですね。。。慣れない分野だと急にポンコツになってしまうのはなんでなん。
<終わった後にできること>
プロジェクトが無事ローンチした後にできることを整理してみました。
・評価者のフィードバックをもらう
・自分の中の反省点を言語化する ←この記事
・自分の精神的な癖、負担に感じる部分を認識する
・振り返り会をやる(しくじり先生)
・該当分野の体系的な棚卸し【関連する書籍の通読】
・再利用可能なファイルの準備(ひな形化)
今回は、大きな単位で「未経験のことをやり遂げる」という成果を得たわけですが、一過性のもので終わるには咀嚼仕切れない多くの経験を得たと思っています。
※世の中にこの分野をいくつも経験されている方はいらっしゃると思いますが、私にとっては初めてばかりだったので非常に刺激的でした。
今後もおそらく経験するであろう「未経験のこと」について、もっと上手くハンドリングできるように、少しずつ忘れないうちに血肉にしていきたいと思い、この記事もそんなモチベーションで書いていきました。
法務、という括りに限らないですが、まだまだ知らない分野が多く、そうなるとまた子どもに戻って一年が長く感じることもあるでしょう。
一年の体感がいつまでも長すぎるのもアレですが、好奇心を持って未経験分野に飛び込めるしなやかさは持ち続けていたいものです。そんな仕事にチャレンジさせてもらえる環境にも非常に感謝しています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
8日目の「ささかわごうすけ」さんへバトンをお渡しします!
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